WC2006(その6)

決勝戦をPK戦の末、イタリアが勝ち取ってW杯の幕は閉じた。
前半早々にPKで仏が先制したときは、伊も「リアクションサッカーをどこかで捨てて勝負するときがくるか?」と期待したのだが、すぐに追いついてしまったため、試合自体は凡庸だった感がぬぐえない。
時折、仏がみせるカウンターを伊が跳ね返す場面はあったものの、大方の予想通り「守りあい」といった感じで120分が過ぎた。
結局、ジダンの「頭突き」という出来事だけをピッチに残し、仏は去っていった。
まぁ、あの行為自体に弁解の余地があるわけも無く、どんな「言葉の暴力」があろうがやってはいけなかった。
(マテラッツイに非がないとはいわないが、やはりジダンの問題だろう)
自分的には、決勝としては94年大会以来の凡戦だった。

ただ、今大会は全体的には面白かった。
特に一次リーグはレベルが高かった気がする。(除日本)

自分がこの大会を通して一番感じたのは「ジダンの大会」というより、「2002大会に置き忘れてきたものを取りに来た」国(選手)の大会ではなかったかと思う。
アルゼンチン、ポルトガルそしてフランスは前回一次リーグで姿を消していた。
イタリアにしても、韓国にあのような負け方でベスト16止まりに終わっている。
逆に前回ベスト4に残った国はドイツを除き1つもない。
(開催国のドイツだけは例外なのだろう。大会自体の成功のためにもベスト4進出は良かったと思う。)
まぁ、裏を返せば、いつもの強豪国がいつものように強かったわけだ。
できれば、アルゼンチンあたりに決勝まで来て欲しかったが、運がなかったと思う。

とにかく、今回もW杯を堪能できた。
もちろん、決勝戦をはじめ不満はいくつもあるが、楽しかった。
(韓日大会では深夜に試合が見れないW杯が何か寂しい感じがあったし・・・)

次回、南アフリカ大会は時差は欧州と大差ないが、気候が逆になる。
今回ほど面白い大会にはならないかもしれないが、やはり楽しみだ。

4年後の決勝後にはどんな感想が書けるだろう?
できれば、日本のことをもう少し書きたいと思う。正直今回は書く気がしなかった。
おそらくアジア枠は減るだろう(減らなくても豪が入る分減るのと同じだ)。
が、厳しい予選を戦っていけば本選ももう少しまともな試合ができると思う。
もし4枠になれば、日本、韓国、イラン、サウジ、そして豪のうち少なくとも1つは出られない。
3.5枠になれば、2国出れない可能性もある。
でも・・・そんな厳しい予選も見たいではないか。
98年の初出場のときの予選の緊張感が、わが国には必要ではないのか?
あの予選は、代表もサポーターもそしてマスコミも1ランク上に押し上げたと思う。

もう一度ぎりぎりの勝負が見てみたい。
そして、「出場する喜び」から感じることができるW杯になればいいと思うのだ。